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堺市堺区一条通にある「あきみつ歯科」院長の林です。
前回のブログでは、訪問歯科診療では「患者さんに合わせた治療のゴール設定が重要である」ということについて書きました。
では、治療のゴールを設定する上で大切なことは何でしょう?
それは「患者さんの情報収集」であると考えます。「患者さんの情報」と一言で言っても、口の中や全身状態など医学的な情報だけではなく、患者さんの生活における自立度、生活環境(同居者の有無や住居の形態など)、家族やキーパーソンや介護者との関係や介入の度合い、性格や趣味嗜好に至るまで多岐にわたります。
これらの情報収集をせずに、口の中の情報だけで治療方針を決定し、ただ入れ歯を作ったり調整する、ただむし歯を治す、ただ歯を抜く、ただ口腔ケアをするといったことを行った場合、口の中はきれいになるかもしれませんが、歯科治療が必ずしも患者さんの生活の質の維持・向上につながるとは限らず、かえって生活の質を落としてしまう可能性すらあります。
そのようなことにならないように、普段から患者さんと接している方々(ご家族、患者さんのキーパーソン、ケアマネージャー、介護士、主治医や看護師といった医療従事者など)との連携が必要不可欠です。この連携が上手くいっていないと、スムーズに歯科治療をできないどころか、事故につながる危険性もあります。患者さんと接している方々と連携し、情報をもれなく共有することで、訪問歯科診療は患者さんの生活の質の維持・向上に寄与することができます。
このようにして、多くの方々の協力を得ながら、患者さんが快適で安全に食べられるよう導くことが、訪問歯科診療の意義であると考えます。
つづく