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堺市堺区一条通にある「あきみつ歯科」院長の林です。
「あきみつ歯科」では、通院困難な高齢者や障害を持つ方々を対象に、患者さんの自宅や病院、介護・福祉施設などに出向き、専門的口腔ケアや歯科治療、必要に応じて内視鏡による嚥下機能の評価も行っています。
そこで訪問歯科診療についてご紹介したいと思います。
まずは「訪問歯科診療と外来診療の違い」についてです。
訪問歯科診療では、ポータブルタイプの切削機器や口腔内用のレントゲンなどを持って行き、診療所とほとんど同じように虫歯の治療や入れ歯の作製などを行うことができますが、やはり外来診療とは大きく異なります。
それは、歯科で理想とされる口腔内の状態にすることを治療のゴールに設定することが難しいということです。
訪問歯科診療の患者さんは、疾患や処方されている薬によって抜歯などの外科的処置が難しかったり、体力的な面や疾患によって長時間同じ姿勢での治療に耐えられない方が多く、可能な歯科治療に限界があることがしばしばあります。また、新しい入れ歯を作製しても、運動機能や認知機能の障害により自分で口に入れられず使えないことや、入れ歯を入れて咬めても入れ歯の管理が難しいといったこともあります。
したがって訪問歯科診療では、教科書的に理想的な口腔内の状態を作る治療を行うのではなく、患者さんの全身状態や生活背景なども十分考慮し、歯科が介入することで現状よりも生活の質が向上するように、個々の状況に合わせて治療のゴールを設定することが重要だと考えます。
つづく